理念

理念・ミッション

理念
ミッション

「認知症になっても住みやすい」地域を作り続けたい

ほのぼの朝日ネットワーク理事長 高井 道子

私は、1994年に東京から飛騨(旧朝日村)に移住しました。人と人の繋がりや生命の尊厳への関心が強く、そのためか、若い頃は、演劇(労働者演劇)に打ち込み、ヨーガ教室を主宰、朝日村に来てから有償ボランティア、コープぎふのくらしたすけあいの会で活動していました。

ほのぼの朝日ネットワークを立ち上げたのも、このような私の関心や経験があったからなのかもしれません。
認知症は表情がなくなり体も不自由になる不幸なこととの認識があるかもしれませんがそれは間違いです。認知症になってもその人に変わりがありません。私たちの思いとして一番大きいのが、認知症になっても人として尊重してほしいということ。彼らが希望と尊厳を持って生きていくには、人としての自信、あるがままでいいという自己肯定感が必要なのです。一人で抱え込まずに周囲に話せる環境を作るためにも、飛騨でももっと理解が進むように取り組んでいかなければと感じています。
認知症になったら住みにくくなるのではなく、「認知症になっても住みやすい」地域を作り続けることが、ほのぼの朝日ネットワークの理念なのです。

私たちには仕事をする上で大切にしていることがあります。
それは「利用者ファースト」です。
「利用者ファースト」とは、利用者の方の意思を尊重し自分らしく生きがいをもって楽しく生活することを支えるという意味です。
「利用者の方のペースで、したい事をしたい時にしたいだけ」を基本に、安心して暮らしていけるようサポートすることを心がけています。これは私たちのミッションでもあります。

実は、私たちのことを「ほのぼの朝日ネットワーク」と命名したのも、「利用者ファースト」という理念・ミッションから名付けたものです。「ほのぼの」という言葉には、ゆっくりのイメージがあり、スピードを感じませんよね。決して、職員ファーストではないのです。

高井理事長1

そして、もう一つ大切にしていることは、「生活環境」です。
利用者さんの生きてきた年代を考慮し、施設のデザイン、レイアウトを考えています。畳の生活、小さいころの慣習、昔懐かしい家と感じてもらえるような施設づくりをしています。病院のような施設では「生きている暮らしているという感覚はなくなるんではないか」という気がするのです。

高井理事長2
また、食事にも力を入れています。まず料理の基本の出汁を昆布、煮干し、干ししいたけ、かつお節で本格的に作っています。食材も私たちの田んぼ・畑で作っているものを使用しています。アイガモ農法、無農薬で作っていますから、とても安全で良い米や野菜なんです。
調理も利用者さんと一緒に作ります。「料理も作るんですか?」と驚かれる方もいますが、「普段の生活と暮らし」が「ほのぼの朝日ネットワーク」のやり方ですから、自分達で料理することはむしろ当然なことだと考えています。

このように、ほのぼの朝日ネットワークでは、利用者さんが主人公。
これが私たちの認知症サポートなんです。
この、ほのぼの朝日ネットワークが築いてきたやり方を他地域にも発信していき、私たちを信頼していただいている認知症のご家族と仲間たちと一緒に日本中に広げていきたい思っています。

これからは今以上に認知症介護が注目され、もっともっとその人らしく、人としての暮らし、生活を重視するようにシフトしていくと考えています。その先頭に私たちが立ち「認知症になっても住みやすい」地域を作り続けてまります。